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廣田硝子インタビュー(後編)|デザイナーとのコラボレーションについて

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廣田硝子は、ここ数年、積極的に社外のデザイナーとコラボレーションしている企業でもあります。墨田区が行っている事業の「ものづくりコラボレーション」に参加されたことがあり、そこで生まれた製品が「すみだモダン」としてブランド認証を受けています。

後編では、実際にデザイナーとコラボレーションするうえでの想いについてお聞きしました。

 

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▲2010年すみだモダン認証商品の「江戸硝子醤油さし」

 

――御社は、墨田区の「ものづくりコラボレーション」事業に積極的に参加していますが、なぜそのような取り組みをしているのでしょうか?

廣田●2008年、経済産業省が主導となって、私たちのような中小企業を海外市場へ売り込みに行こうという取り組みがありました。

我々を含めて30社程度の企業がフランスの「メゾン・エ・オブジェ」という見本市に出展して、その中で東京都にある会社は我々の会社だけだったんです。他は全部、地方の会社ばかり。正直、名前を初めて聞くような会社も多かったです。

でも、実際は地方の会社の方が東京の私たちより危機感を持っていて、しっかり準備をして臨んでいたんです。その時に「私たちも、このままじゃマズいな…」というのを肌で実感しました。

その後も、そのような想いをずっと持ち続けていたので、ものづくりコラボレーションの募集があった時に応募させてもらいました。

 

――社内デザイナーと、社外デザイナーとでは、仕事をするうえでどのような違いがありますか?

廣田●社内のデザイナーですと、会社の状況や硝子製品のことについて知ったうえで提案してくれますし、「こうすれば金型の費用が抑えられるな」とか、コストに関する知識も持っているので、そういう部分が助かることはあります。
しかし、逆を言えば、その知識に縛られたデザインになってしまいがちな側面もあるので、斬新なデザインは生まれにくい。だから、どちらにも善し悪しがありますね。

 

――外部の人と仕事をする前後で、何か変化はありましたか?

廣田●一番劇的に変化を感じたのは、やはり、外部の人と初めて一緒に仕事をしたときですね。今まで自分たちが造ってきたものとは違うものが出来て「外部のデザイナーさんが見た硝子は、こんな形のものができるんだな」って驚きました。必ずしもみんなに評価される製品が良いデザインであるとは言いきれないと思いますが、そういう意味では最初にコラボした製品は、お客様から多くの注文をいただいたので、非常に良い刺激になりました。

 

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▲最初のコラボ商品「蓋ちょこ」

 

――社外のデザイナーとコラボレーションする以前は、製品は自社でデザインされていたのですか?

廣田●そうですね。以前は、社内に女性のデザイナーがいたのですが、彼女が出産を機に退職されまして、それと同じような時期に外部のデザイナーと知り合う機会が増えてきたので一緒に製品造りをしてみたという感じですね。

 

――硝子のデザインに対して、どのようにお考えでしょうか?

廣田●硝子って、皆さんが思っている以上に出来る事の範疇が限られてるんです。そうなるとコップとかの飲み物系が多くなりますので、幅広い製品を造っていくのは難しいんです。出来るだけ硝子の持つ可能性を素材感とともに広げていけることが使命だと感じています。

 

――最後にお聞きしますが、共に働くデザイン会社やデザイナーに、何を求めますか?

廣田●仕事をお願いする人によって何を求めるのかは違うと思うので、一概にこれが正解というものは無いと思います。外部の人に頼む理由は、自分の中に無いもの、あるいは自分の中の凝り固まったものをなくす刺激を求めているような気がします。

「コップの形はこうでなくてはいけない」と思っていても、その考えとは全く違うものを提案してきたり。もちろんその形が良いか悪いかは別問題にしても、『何か気付かされる部分』そういった部分を期待しています。

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▲社内には、商品のカタログで使用される木版(上)と、カタログ(下)も展示されている

 

廣田硝子インタビューの前編はこちら
廣田硝子株式会社

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